31.聖地とコスプレ

みなさんこんにちは。
エアコミケのようなエアイベントを体験して日本全国、ときには世界各国ありとあらゆる場所からのコスプレイヤーの発信を見る事ができましたが、今回はそんなコスプレとは割と密接な関係にある「場所」のお話。

いわゆる「聖地」について考えてみたく思います。

聖地とは何か

エルサレム、メッカ、ラサ、出雲大社など…ではなく!
この場合における「聖地」とはアニメやゲームなどの、作品の舞台や元となった場所を指します。

テレビで言えば「ロケ地」というやつが近いですかね。

聖地を訪れる行為もネーミングの由来から因んで「聖地巡礼」と言いますが、
元々は作品内の映像や会話等の少ないヒントから「この舞台はどこか」「実際にあるのではないか?」「どこがモチーフとなったか」という裏方的な情報を探求し、その場所を見つけ出すという遊びから始まりました。

多くのアニメで登場する鎌倉の踏切
(ここだけで何のアニメを思いつきますか (*´▽`*)?)

当初は製作側も裏側の話まで興味はないでしょうと、それほど関心もありませんでしたが、制作現場に携わりたい方や、裏方話などへのニーズも高まりを見せて行った結果、今では作品側も最初から地域とタイアップしたり積極的に分かりやすい背景を使用するようになってきたため実際に行ってみるファンの方も増えはじめ、すっかり観光業の側面からも重要な戦略の一角であると捉えられるようになってきました。

そのためとくに“聖地で開催されるコスプレイベント“では、
その場所と直接関係の強い作品のコスプレというものが人気となることもあり、
あらゆる側面から重要視されるようになっています。

今ではアニメ聖地をまとめた、こんなサイトもできているんですねhttps://animetourism88.com/ja

聖地とコスプレ

作品の聖地ですから単純な例であれば同じポーズだけでも真似するだけで、作品世界を再現することができます。

ビートルズのアルバムのジャケットとなっている
「アビィ・ロード」

上の画像はおそらく世界で最もポーズを真似されたであろう画像と思います。
描写のみを切り取れば「アビィ・ロードを横断する」というたったこれだけの行為です。
それでもこのジャケットが「ビートルズの」「ロンドンの」「CDのあの場所」というように、ただの横断歩道に特別な「意味」を持たせることができてしまうというのが「作品」(CDやアニメやゲーム等)が聖地という「場所」を作ったと言えましょう。
これがまず場所の聖地化です。

次にコスプレですが、アビィ・ロードでは流石に風貌まで似せて行く人はそこそこ程度ですが(実際にはそれなりには居ましたが置いておいて…)
仮にコスプレイベントであれば、もちろん衣装や小道具を揃えて「完成度合い」を高めて行くということになります。
これを先のような「聖地」で行うことにより、あたかも自分たちこそがオリジナルであるというような感覚や、オリジナルと同じものを共有している感覚を楽しむことができます。

ものすごく分かり易く言えば、最も合致しやすい「背景」を便利な「小道具」として使える、ということですね。

またアビィロードのように実際に直接的に存在する、緯度経度まで完全一致する場所ではなくても、作品に由来する何らかのキーワードを聖地として利用することで“第二のベツレヘム“ともいうべき即席の聖地を一時的に生み出してしまうことも可能である点が、コスプレの持つ高い自由度の面白さと言えます。

直接の舞台ではなくとも聖地化する

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洞爺湖は漫画「銀魂」の聖地でもあります、しかし漫画の舞台は江戸(東京)の歌舞伎町です。主人公 坂田銀時が洞爺湖を訪れるシーンは物語中で描かれておりません。

ではなぜ聖地であるか。

というのはご存知の通り、彼の所有する木刀に書かれた「洞爺湖」の三文字。
(作中では嘘か本当か修学旅行で買った木刀に書いてたからという理由が語られますが)
たったこれだけの理由でしたが、洞爺湖温泉街のお店で実際に木刀に「洞爺湖」と掘られたものを販売し、(もちろん作者公認!)新聞などの各メディアに取り上げられるようになり、いつの間にやら目出度く聖地認定がされました!

洞爺湖 木刀はコチラから
https://toyako-bokutou.com/wood.html

このように実際には直接関係がなくても、登場するアイテムや、ちょっとしたエピソードを上手に利用することで、そこから聖地として認定を受けるという方法もあります。

もちろんその後も聖地としてファンから愛され続けるた目には、並々ならぬ努力が必要ではありますが、コスプレがブームの今だからこそさまざまな作品世界の良さを上手に拾い上げて大いに盛り上げていって欲しいと思います。

というところで話が長くなりそうなので次回に続きま~す。