25.コスプレでよく見かける東方って何?

© 上海アリス幻樂団/TAITO CORPORATION 2020

こんにちは!
今回は珍しく一つのジャンルについてのお話です。

コスプレイベントや二次創作イベントに行くと、レイヤーや痛車などで見かける「東方」の2文字。
これってアニメ?漫画?ゲーム?音楽?ソシャゲ??たくさん見かけるけど一体何だろう???という方多いのではないでしょうか。

(かくいう私もブームに乗り遅れて大分後から知って調べたクチですが…)

というわけで今回は「東方」という謎のジャンルが一体何なのか、私が調べた範囲でざっくりと解説してみたいと思います。

「東方」?「東方project」?「上海アリス幻樂団」?

上海アリス幻樂団 https://www16.big.or.jp/~zun/

「東方」とは主に同人ゲームのシリーズ「東方project」を指します。
ゲームジャンルは弾幕系シューティングゲームで、このゲームを中心として他に書籍や音楽CDなどが発売されています、一緒に目にする「上海アリス幻樂団」とは、この「東方project」を制作している団体を言うんですね。

上海アリス幻樂団ホームページ内より
(弾幕系とはとにかく弾が多い中を掻いくぐるタイプのシューティングゲーム※「怒首領蜂」「虫姫さま」などが他の例)

たった1人のクリエイターが作っている!?

この「東方project」の恐ろしい所が、ゲームにおけるプログラミングはもちろん、キャラクターのイラストやドット絵、音楽、ストーリーと丸々すべて製作者の「ZUN」さんがたった一人で作って作っているという事、つまり「上海アリス幻樂団」と名前はついてますが、実質ZUNさんたった一人なんですね。

しかしなぜ一人でこのような膨大なコンテンツを作ろうとしたのかというのが、ZUNさん曰く元は音楽を作りたいという動機だったようですが。

「音楽を作って、色んな人に聴いてもらいたい」
  ↓
「じゃあ聴いてもらうならシューティングゲームがいいかな?」
(シューティングが1番音楽を気に留めやすいと考えたようです)
  ↓
「それなら丸々全部作ってしまえ〜!」


…という発想からだった模様で、実はメインのコンテンツとしては、
ゲーム<音楽だったんですね。

最初は90年代のパソコンで

最初に東方と名のつく作品が生まれたのは1996年。
当時数あるパソコン規格戦争が終わりを迎えようとしている頃、ゲームが遊べるパソコンとして一定のユーザーを得ていた「PC−98」という機種があり、この機種向けに開発されたのが最初の東方でした。
(最初はシューティングではなくブロック崩し的なゲームだった模様)

こちらは今はファンの間では「東方旧作」と呼ばれますが、
今のシリーズには直接の関係は薄いのでとっとと次へ。
(ゲーム内画像などデータも少ないので)

その後Windowsの個人制作のゲームとして

©︎上海アリス幻樂団

その後時代は進み2000年代。
コミックマーケットにて発売されたゲーム「東方紅魔郷」(これが現在の東方シリーズの1作目のようなもの)と同時に本作の世界観を広げる音楽CD「蓬莱人形」がリリースされます。
が、ここまでなら手の込んだ同人活動とも捉えられるのですが…。

二次創作が二次創作を呼ぶ時代に

東方シリーズの最大の特徴と言えるのが、windows版1作目「紅魔郷」のリリース後に、主にゲーム内の音楽を中心に一部のクリエイター達の目に留まり、音楽のアレンジや歌詞をつけて歌ってみたりなどの二次創作が作成されていきます。
さらにこれらは即売会などの限定的な空間ではなく、当時広まりつつあった動画サービスによるアップロードで地方•国内外問わず、瞬く間に多くの人の目に触れて行くことになりました。
その様子はネズミ算式に増え、イラスト方面や二次創作ゲームなど多様なジャンルに複雑に拡散していき、「二次創作で東方を知り始める」という現象が起こり始めます。

この為、ゲームをしていなくても曲のフレーズを聴いたことがある、
知らないBGMでも動画内のイラストをどこかで見たことがある、
原作は知らないけどあの曲!あの絵!という不思議な広がりをしていったのです。

ここまでの大きな渦となった東方ですがその原因の一端が、
製作者ZUNさんが早い段階で、二次創作に関するガイドラインを自由度が高くなるよう上手に設定した点によるものと言えるのかもしれません。

ZUNさんって一体何者?

ゲームストーリー、作曲、キャラクターデザイン、プログラミングと
これだけでも一人で数多の役割をこなしてしまう作者のZUNさん。

Twitter↓
https://mobile.twitter.com/korindo?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

近年では自身が大のビール党ということから、ニコニコ超会議での「ZUNビール」という企画のため、ビールの人とも思われがちですが、(実際出版物としてはお酒関連の本の方が多い)過去には一般のゲームユーザーにも親しみやすい部分でも関わっていました、というのも実は以前はゲームメーカーである「タイトー」のプログラマーでっあため多くのゲーム制作に携っており、中でも代表的な例が「ラクガキ王国」というゲームで、こちらのゲーム内には自身の作ったキャラクターを隠しボスとして登場させるという遊びが仕込まれていました。

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(ちなみに今年リリースされるスマホゲーム「ラクガキキングダム」内にも
このキャラクターが登場するそうです!気になる方は要チェック!)

そしてもちろんコスプレも!

© 上海アリス幻樂団

コンテンツが大きくなり、様々なキャラクターが認知されていくと、もちろんコスプレもこの波の中に入っていくこととなりますが、ここでも東方はさらなる特性を見せていきます。

コスプレ初心者の入り口として

コンテンツの広さゆえに、作品理解への複雑さこそあれど、東方はその衣装デザインや作品特性から非常にコスプレしやすいジャンルと言えます。
その特徴が

・個性的なキャラクターデザイン
色合いやデザインなど、一目でわかるデザイン(とくに衣装)のため、メイクが苦手な方でも比較的高い再現性を楽しむことができます。
さらに二次創作イラストを元にしたアレンジ要素を作成していくこともできるので、コスプレ上級者でもガッチリと楽しむことができます。

・安心の布面積
衣装の多くが布面積が多いため、体のラインを誤魔化す工夫ができます。
また肌の露出が少ないということは北海道の寒い時期でもほぼ通年使用することができるため、オールマイティにコスプレの機会を作ることができます。

・長寿コンテンツ
2000年代初め(旧作含めたら90年代)から今現在もなお、数多くのコンテンツを排出し続けているため、ほぼ廃れることなく記憶され続けるのでどのイベントでも今後も着続けられるという点は、リーズナブルにコスプレを楽しみやすいという嬉しい点となります。

・楽しみ方が広い
主に動画コンテンツ等二次創作でのキャラクター像の振れ幅が大きいためポージングの幅が広く、原作作品自体のもつ許容力の高さからネタコスプレ〜超真面目なコスプレまで「比較的何でもできる」という強さを持っています。

このような点から、まさにある種コスプレを堪能しやすいジャンルと言え、
初心者上級者問わずお勧めしやすいと言えます

東方は何から知ると良い?

ではどのように作品をお勧めしたら良いか。
…という点に関しては非常に難しい分野になってしまったと思います。

というのも何よりコンテンツが膨大すぎて、ゲーム?音楽?動画?漫画?小説??から、どのように人に勧めるべきか、その人が気に入ってくれそうなものは何かを考えるのは本当に難しいと思います。
(私も最初はゲーム実況など関係のない部分から好きになったので…)

あくまで公式ゲームの二次創作
二次創作のコンシュマーゲームというのも面白い位置づけです

しかしながら現在では比較的入りやすいものとして、公認二次創作ゲーム「東方キャノンボール」「東方LostWord」などがスマホアプリで登場しているので、一般向けにも入手しやすく遊びやすいユーザーフレンドリーなゲームにもなりましたので、気になった方はこの機会に東方の不思議な魅力に触れてみてはいかがでしょうか。

(そろそろ私も衣装をポチりそうです)

東方キャノンボール https://touhoucannonball.com/
東方LostWord  https://touhoulostword.com/