62.コスプレ道具制作記(刀を作る②)

今回からいよいよ作成に入ります
前回提示したようにコスプレ用の刀の製法にはいくつかの方法がありますが、今回は全て0からの作成に挑戦してみたいと思います。

作業工程と設計図

100均のおもちゃのように「鞘」と「本体」…というような、簡素な作りをする方法もありますが、今回は少しでも納得のいくクオリティのものが欲しいと思い、木をガッツリ切って削って作る方法に挑戦してみます。
クオリティを少しでも上げるということで、
そのためある程度実際の刀の構造を参考にしながら、作りやすそうな設計に簡略化して行きます。

パーツ構成を簡略化する

まずはどんな作りをしているのかを知る事からです。
函館でも実物を見て勉強することができます。

函館 土方啄木浪漫館
http://www.romankan.com/hizikata/

また、刀の本場はやはり本州ということもあり、
こういった場所ではさらに詳しく調べることができます。

刀剣博物館 – 日本美術刀剣保存協会
https://www.touken.or.jp/museum/

今はネット検索でも沢山の情報が集まるので便利ですね。

刀剣ワールド
https://www.touken-world.jp/

これらのサイトなどから資料を見ると、
刀は刀身と持ち手の柄、さらに鍔の部分とそれらを固定するための様々な部品から成り、意外と多いパーツで構成されています。

刀剣ワールド より刀装具の部位と名称


さすがにこれらを作ると多くのパーツを寸分違わずピッタリに成形しなければならないため完全に再現しようとすると初心者には難しいです。
そのため私でも作りやすいようにパーツを簡略化します。

まずは本体の「刀身」はほぼそのままに形成して、これを基にその他「柄」「鞘」「鍔」の大きく3つだけの構成に変えてしまいます。

基本これさえ出来てしまえば、それなりの雰囲気になりそうなので、この方法で作ってみたいと思います。(それっぽく見えていればいいのです)

細かい部分は抜きにしてまずは図面も刀身を紙に大きく描いていきます。

持ち手側の段差は
実物と同じように鍔を固定する部分として後々使います

次にこの刀身を収める分を考えて、
資料を参考に刀身より一回り大きい柄と鞘の線を描きます。

各パーツを色分けしておくと分かりやすいです。

こ刀身の大きさギリギリに設計してしまうと破損の原因になるので、ここは要注意です。

この隙間が狭すぎると穴があいたり割れたりしてしまうので注意!

最後に塚の一部に鍔が収まるスペースを作っておきます。
これで図面は大体完成です。

上段に外側の分解図面
下段に刀身の本体
中段は全部を重ねたときの図面で、
ちゃんと納まるかと強度は大丈夫そうかを確認

図面制作は作り方も同時に考えて描かなくてはなりません、細かな修正は作りながらもできますが、うっかり作り直しにならないようシミュレーションして描きましょう。

早速切り出し

上に乗ってるのがマツで、その下が桐

あとの作業が大変なのでとっとと切り出します。

今回は実験的な試みでもあるので、近くのホームセンターでそれぞれ種類の違うエゾマツ(約500円)と桐(なんと約250円程度)の2種類を大きさの近そうなものを購入してきました。

いつもどおり原寸の型紙を作って、それを木に写してから切り出します。

今回は長いので作業机からハミ出してしましました

刀身は丈夫そうなエゾマツを使い、太さの出る柄と鞘は桐を使うことにします。
ちなみに1枚の板から1つづつ切り出すと勿体ないので、鞘と柄を出来るだけ1枚の桐に詰め込みます。

型紙を修正しなくても、ギリギリ入りました。

切り出しは普通のナイフや彫刻刀でも可能ですが、今回は専用の道具を借りることができましたので、ジグソーとノコギリでガシガシ切り出して行きます。
こんな物使うのは中学生の授業以来なのでワクワクしちゃいます。

ちなみに松の方は硬く目もしっかりしていたので機械で切っても断面が綺麗でしたが、桐の方は目が荒めでしたので、ノコギリでちょっと慎重に切り出します。
(木の違いで切りやすさも切った後の目も予想以上に違ってちょっと困惑)

勿体ないので刀身も予備で1枚のエゾマツから2本目を切り出しました。

多少いびつではありますが何とか切り出し成功です。
あとは図面と型紙とその場のノリを駆使して削っていけば、いい感じになりそうな雰囲気が出てきました!

次回から本番

切り出したら次が1番長い作業「研磨」です
正直どれくらい削るのにかかるのか検討がつきませんので、しばらく毎日ちまちまと削る事になりそうです。

削りが終わりましたらまた次回の更新になりますよ〜!

前回のブログはコチラ↓

写真素材:
ぱくたそさま
いらすとやさま